英語を上達させるプロセスについて考える

ひとりの英語学習者の試行錯誤の記録

第22回 TOEIC SW への本気の対策 (前編)

前回まで「英語のフレームワーク」について書いてきたんだけど、このたび、三度目の正直というか、仏の顔も三度というか、とにかく来月 (2015年1月) 性懲りもなく再度 TOEIC SW に挑戦することにしたので、急遽、TOEIC SW の対策について書いておこうと思う。参考にしたのは以下の書籍。

頂上制覇 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック) (頂上制覇 TOEIC(R)テスト 究極の技術(テクニック) シリーズ)

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  • 作者: ロバート・ヒルキ,上原雅子,横川綾子,トニー・クック
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2013/03/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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言い訳というわけじゃないんだけど、過去2回とも、ほとんど対策をせずに、初回はどういう形式の問題が出るか、時間配分はどれくらいか、というところをさらっと見た程度、2回目はそれのおさらい程度で臨んで、これはテスト用に対策を講じないと高得点は望めないとはっきりしたので、今回は1ヶ月前から (すでに遅いという意見もあるだろうけど) 各パート、準備できるところは抜かりなく準備しておこうと思う。

ただし、対策を講じるのは Speaking のみに絞ろうと思う。というのは、Writing は Speaking よりも時間をかけられる分だけ楽で、内容も、最後の小論文的なものが難易度高いだけで、Speaking 対策ができていれば、Writing もそれに影響されて上がるはずだ、という期待があるから。

■ 過去の結果と当時の英語力

□ 1回目

2014年2月 / Speaking: 150, Writing: 140

英語学習を始めて1年ほど経った頃だったのだが、オンライン英会話をやっていたこともあって、そこそこの点数が取れてうれしかった。

Speaking: 150 というのは、公式サイトによると「一般的に、レベル6に該当する受験者は、意見を述べたり、複雑な要求に対して、適切に応えることができる。しかしながら、少なくとも部分的に意見の根拠や説明が聞き手にとって不明瞭なことがある。」とのこと。

しかしながら、自分が「複雑な要求に対して、適切に応えることができる」とは、実感としてとても思えなくて、簡単な要求に対して簡単な応答は出来ても、複雑なものはとてもじゃないが「できる」とは言えなかった。

□ 2回目

2014年9月 / Speaking: 140, Writing: 180

フィリピンに2ヶ月留学したので、その成果を測るために受験。自分では Speaking がだいぶ向上した実感があっただけに、点が下がっていたのがショックだった。

速く言えるようになった分、考えることがおろそかになってしまって、あちこちで中身のない空虚な回答をした記憶がある。日本語でも、理由などを考えながら慎重に話すことが大事なので、速く言えればいいってもんじゃない。高得点を取るために必要なことは、論理的に、順序立てて話せるかどうかであって、スピードではない。

■ 目標

Speaking: 180, Writing: 180

TOEIC (LR) もそうだけど、出題によって、自分の得意分野・苦手分野があるから、コンスタントに高い点数を取る、というのはとても難しいことだけど、日本語なら日常生活でも、苦手分野であってもある程度は話ができるわけで、そういった臨機応変さ、みたいなものを英語で瞬発的に出すことはまだ自分のレベルでは難しいことだった。

というわけで、たとえ苦手分野の出題でも、沈黙してしまわずに自分の分かる範囲で対応できるように、対策を練っておく必要がある。

■ 総論

本ブログでは、英語学習を効率的に行うためのプロセスづくりにスポットを当てているので、テスト対策でもそこにフォーカスしたい。

というわけで、以下のアプローチを採用したい。

  • Unit ごとにフレームワークをつくる
  • 出題パターンを分析し、個々に対策のバリエーションをつくる

大事な点は、英語の Speaking 能力だけでなく、論理的思考力も必要で、中には日本語でも上手く応えられないような質問がきたりするので、コンスタントに高得点を取るためにはそういった地力みたいなものを鍛える必要がある。

では Unit ごとに対策を考えてみよう。前編では、Unit 1 〜 Unit 3 を取り上げる。

■ Unit 1. 音読問題

□ 問題構成

  • 設問数: 2問
  • 準備時間: 45秒
  • 回答時間: 45秒

□ 対策

画面に表示された英文をただ読むだけだけど、ポイントは発音、イントネーション、ポーズのみっつ。準備時間が45秒与えられているので、2回ほど黙読しながら以下の点に注意する。

  1. カンマや文末で語尾のイントネーションが上がるのか下がるのか確認する
  2. 読み方の紛らわしい単語があるか確認する
  3. リンキングやリダクションが起こる箇所を確認する

1 に関しては、以下のような「並列」が必ずと言っていいほど含まれるので、ルールを確認しておこう。

There are three points when you read sentences: pronunciation, intonation, and pause.

A, B, and C の場合、A↑, B↑, and C↓.

2 に関しては、 except / expect とかのスペル系、caught / coat とかの発音系、どちらも気をつけたい。

3 に関しては、リンキング (an hour → annour) やリダクション (expected to → expecte[d] to) のルールを「絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール 徹底トレーニング編 CD3枚付」のような書籍で事前に確認しておこう。

音読する際は、はっきり明瞭に読むことを心がければ大丈夫。極端にゆっくりでなければ、制限時間の45秒を超えることはまずないので、時間はそれほど気にしなくていいと思う。

■ Unit 2. 写真描写問題

□ 問題構成

  • 設問数: 1問
  • 準備時間: 30秒
  • 回答時間: 45秒

□ 対策

ここでのポイントは、

  1. まず何の写真なのかを述べる
  2. 次にメインの被写体の外見と動作について述べる
  3. 時間があれば、目に見えるものを元に、状況を述べる

たとえば以下のような写真が提示された場合、

f:id:mtmt101jp:20141214122038j:plain

何の写真か、と言う場合、"this picture is a scene of ..." という表現を覚えておいて、後ろに名詞句をつける。

This picture is a scene of a business talk or interview.

メインの被写体はスーツを着たふたりで、右側の男性が何かの説明をしている、という図なので、

I can see a man giving a presentation with a document in his hand and a woman listening to him.

などと言えばいい。よく使う表現は現在分詞で、「~している~」という表現になるが、この場合は "a man explaining something" とか "a woman listening to him" がそれに当たる。

描写することが少なければ、身につけているものに言及するのがいい。

There are two business people wearing gray suits.

続いて状況を推測してみると、右の男性が salesperson で、左の女性は client っぽいので、

Since it looks like a presentation, the man seems to be a salesperson, and the woman seems to be his client or prospect one.

などと言える。ここでは、"look" や "seem" を使って、目に見えることに基づく記述は "look" で、推測であれば "seem" を使う。

「~が~のように見えるので、~は~と思われる」 = "Since ... look(s) like ..., ... seem(s) to be ..." という表現を覚えておいて、色々な写真を見ながら練習してみよう。

ちなみに、seem to be を使っている部分は、seem でもいいと思うけど、字数を稼ぐためにこっちにした(笑)

覚えておきたい表現としては、写真の位置を示す語句。

in the middle - 中央

on the left - 左

on the right - 右

in the background - 後ろ

at the top - 上

at the bottom - 下

at the top left(right) - 左(右)上

at the bottom left(right) - 左(右)下

使用例としては、

I can see a man giving a presentation on the left side of the picture.

のように "of the picture" をつけたり、

The man on the left is giving a presentation.

などとシンプルに言うこともできる。複数の言い方ができる場合 (たいていそうだけど)、どれかひとつに絞った方がいいと思う。もちろん複数の言い方ができることに越したことはないけど、そこに時間を割くくらいなら、この手の定型文的な言い方はひとつに絞って、色んな写真で練習した方がいい。

ひとつだけ注意しておきたいのは語順。上の例のような場合で "a man on the left side of the picture giving a presentation" としないように気をつける。分詞による修飾がある場合は、そちらが優先的に続くので、"a man giving ..." となる。

下の例で "The man on the left side of the picture is ..." と言うこともできるけど、動作主体と動詞が離れてしまうと難易度が上がるので、字数を稼ぎたいなら上の言い方がいいと思う。

写真のパターンとしては、

  • カフェやショップで客や店員がやりとりしている風景
  • 家族やカップルが遊んでいたりレジャーを楽しんでいる風景
  • ビジネスミーティングやプレゼンテーション、あるいは仕事中の風景
  • 何らかの目的 (会合、セミナー、展覧会や美術館) で集まった人々の風景

のようなものがあるので、"cashier" とか "shop clerk" とかの単語は覚えておくといい。

■ Unit 3. 応答問題

□ 問題構成

  • 設問数: 3問
  • 準備時間: なし
  • 回答時間: 15秒 (3問目のみ30秒)

□ 対策

この Unit では、電話でアンケート調査と称して簡単な質問をされるので、それらの質問に応える。

様々なバリエーションが考えられ、それぞれに適切な対策を取るのがとてもむずかしいと思われる。が、いくつか基本のパターンがあるので、それらに絞って考えてみたい。

好きなものを聞くパターン

たとえば、

What is your favorite music genre?

How often do you go to concerts?

Which do you prefer when listening to music, headphones or speakers? Why?

みたいな質問の構成になっている。

上の例は音楽だけど、これが食べ物だったり本だったりテレビだったりする。

ポイントは、様々なジャンル名を覚えておくこと。音楽なら rock, classic, pops, jazz など、食べ物なら French, Italian, Chinese など、本なら novels, non-fiction, history、novels に絞って聞いてくることも考えられるので mystery, fantasy, adventure など、テレビなら news, documentary, drama, variety shows などなど。

英語のウェブサイトを訪れてみよう、"music (book, tv, film, etc) genre" などとググれば色々出てくる。

このパターンでは、頻度を聞かれるので、それに関連する単語も覚えておこう。

often, sometimes, rarely, never は基本として、once or twice a week (day, month, year) などの言い方、また、"usually (always) ... when" / 「〜するときはたいてい (いつも)」といった複合型も使えるようにしておきたい。

最後にしたのはいつですか?パターン

次のパターンは、以下のようなかんじ、

When was the last time you bought shoes?

What do you think the most important when buying shoes?

Do you like buying shoes from online shops? Why or why not?

「最後に〜したのはいつですか?」と聞かれて「先月です」などとだけ応えるのはよくなくて、理由も付け加えよう。上の例でいえば、"Because my current favorite ones have got old and worn out." /「いまのお気に入りの靴が古くなってくたびれてきたので」など。

上の文が長過ぎるようなら、"Because my favorite ones have got old" だけでもいいと思う。

買い換えるパターンなら、たいてい「古くなってきたので」という理由で通ると思うけど、家電なら、多機能 (have more features) なっていたり、省エネ化 (eco-friendly) されてたりするので、その辺りに言及してもいいかもしれない。

Because the new model has more features than the current one.

とか、

Because the new model is more eco-friendly than the current one.

とか。

「〜する上で何をいちばん重視しますか?」という問いも、このパターンに限らずよく出題されるようだ (以前、冷蔵庫を買う上で重視する点は何か、と聞かれたことがあった)。

通常、"price, quality, brand, reputation" などが回答になりうるが、こちらも理由を付け加えるのが望ましいので、その理由付けが無理なく行えるものを選びたい。つまり、"I think the most important point is price," と言った後で、"because ..." と止まってしまうのはよくない。

黙ってしまうくらいなら嘘 (というか創作) の方がマシなので、適当に話をでっち上げる能力も合わせて向上させ ておきたい(笑)

この Unit は準備時間がない上に3問もあるので、自分の苦手分野あるいは関心のない分野の設問がくると非常に難儀する。そういった場合は、シナリオを創作して、事実は異なるけれども、理路整然とした回答ができるようにするしかない。

たとえば、もし腕時計に関する質問がきたら、ぼくは腕時計をもう20年近く持っていないし付けていないけど、腕時計があったらいいなと思うシチュエーションは思いつくので、それを咄嗟に想像しながら、腕時計選びの最も大事な点について自信を持って答えたいと思う (持ってないということは想像の及ばない範囲のものである可能性も大いにあるので、その場合はもう諦めよう)。

■ まとめ

  • Unit 1 では、イントネーション、単語の発音、リンキングやリダクションなどの音声変化に注意しよう
  • Unit 2 では、写真の場面の説明 → メインの被写体の説明 → 状況の説明 の順で説明しよう
  • Unit 3 では、様々ジャンルを覚えておこう、自分の持ち物について買い替えの理由を考えておこう、咄嗟に創作できるように訓練しよう

ということで、高得点を上げるには Unit 3 の出題がキモなんじゃないかと思えてしかたがないんだけど、運も実力のうちってことで、前日にはどこにいるとも分からない人智を超えた存在にお祈りしてから寝るようにしたいと思う。