第16回 英語表現を豊かにするための取り組み(2)~分詞
前回に引き続き、英語表現を豊かにするための取り組みについて、分詞の、主に形容詞的用法について考えてみたい。
まず、実用性の観点から言うと、現在分詞、過去分詞という名前に引きずられないようにする必要があると思っていて、これは実質的に能動態現在進行と受動態過去であり、修飾される対象が分詞となる動詞にとっての主語なのか目的語なのか、という意識が必要に思う。
って説明すると分かりにくいと思うので、実際に例を挙げてみる。
■ 概要
I've joined a company offering an innovative service created for elder people who need to be taken care.
"company offering" における "offer" の主体 (主語) は "company" なので現在分詞を使う。
"service created" における "service" は "create" の客体 (目的語) になっているので過去分詞を使う。
不定詞のところでも軽く触れたけど、英語の「修飾語句を後ろへつなげていく」手法がここでも使われていて、"I've joined a company" と途中で止めても、最も単純な形で文として成り立つというのは、日本語よりも便利な点だと思う。
そしてさらに、"I've joined a company offering an innovative service." で止めても文として成り立つ。だから、少しずつ少しずつ文を長くしていくことが可能になるので、そうやって、徐々に長い英文に慣れていくことができる。
なので、まずは基本となる文をつくっておいて、それを分詞を使って拡張していくトレーニングをするとよいのではないか、と思った次第。
■ 詳細
上に書いたことでもう十分な気もするけど、いちおう詳細に書いておく。
まず、シンプルな文をつくってみる。
ぼくは昨日の日記にこんなことを書いた。
I ate dinner out at a local Indian restaurant.
これに、"restaurant" を修飾する分詞をつけてみる。
061. I ate dinner out at a local Indian restaurant serving a variety of southern Indian foods.
もしくは過去分詞を使ってこんな風にもできる。
062. I ate dinner out at a local Indian restaurant run by an Indian chef and his Japanese wife.
ちょっと無理矢理感あるけど、"restaurant" を説明するのに、それが主体となるときは現在分詞で、客体となるときは過去分詞になるっていうのは分かるんじゃないかと思う。
これで終わってもいいんだけど、ちょっと短すぎるなと思ったので、追記。
分詞には他にもいくつか有用なパターンがあって、例えば、
063. I spent time watching TV after dinner.
「~しながら」とか「~して」などと訳されるやつですね。これも例文たくさんつくれるんじゃないだろうか。
064. I'm sorry for having kept you waiting.
の "waiting" も現在分詞だけど、このパターンは他に思いつかないな。使役動詞 (make, get, have, etc) は原形がくるし。思いついたら補足します。
過去分詞の場合は、
065. We have to get things done. / 物事を終わらせなければならない → いろいろ片付けなきゃ。
「~された状態にする」みたいなニュアンスで、ちょっと適切な日本語訳が思いつかないんだけど、主に使役動詞と組み合わさって使われる。
066. Am I making myself understood?" / 私は私自身を理解させていられてますか? → 私が言ってること理解できます?
こうなると直訳文がまるで呪文のようだけど、"Did I make myself understood?"
■ まとめ
- 分詞は名詞を修飾するのに便利
- 現在分詞 → 能動態現在進行、過去分詞 → 受動態過去と覚えよう
- 修飾される名詞が主体なら現在分詞、客体なら過去分詞
- まずはシンプルな文をつくり、分詞を使って拡張してみよう
- 他にもいくつか有用なパターンがあるよ
次回は関係代名詞について書くつもり (分詞とほぼ一緒なんだけどね) 。