英語を上達させるプロセスについて考える

ひとりの英語学習者の試行錯誤の記録

第12回 日本人の苦手な英語の発音ベスト10

標題はちょっと釣りで、正しくは「私の苦手な」なんだけど、傾向として、ってことでひとつ。日本人の苦手な (傾向のある) 発音について留学してた頃にフィリピン人の先生に教わったものの、いまだにちょっと気を抜くと上手く言えないので、自分用まとめとして残しておきたい。

口腔内の絵と音声が載せられないのが残念なんだけど、フォニックスの本あれば付属のCD-ROM で確認してください。例えばこの本とか。発音トレーニングの基礎としてはこれ一冊で十分だと思う。

CDBフォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

CDBフォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

代わりに、英語での解説だけど、YouTube で見つけた解説を載せておきます。

■ 日本人の苦手な英語の発音ベスト10

最初に10個列挙して、解説は後ほど。番号はついてるけど、この順で苦手ってわけじゃないので無視してください。

  1. r
  2. l
  3. y
  4. a
  5. o
  6. f
  7. v
  8. z
  9. t
  10. k

■ 解説

1. r

あまりに有名なのに、自分も含めてこの音を綺麗に発音できている日本人英語学習者に会ったことがなくて (だから有名なんだけど)、自分の中ではもう L と違って聞こえればいいや的なかんじになってる。意識しすぎてて、他の音でも下を奥に丸めるひとがいるので、あんまり意識しすぎない方がいいかもしれない。

L と R については下記の動画を観ていただければ。


How to Pronounce R and L Sounds - Comparison ...

2. l

この音の発音が特に難しく感じるのは語尾に来るケース、例えば "school" とか "towel" とか。語頭や語中ではちゃんと歯の付け根に下をつけられるのに、語尾だとなぜか "shoo" や "tow" みたいに、l の音を落としてしまうことがあるので、気をつけたい。下記の動画によると、"Light L" と "Dark L" があって、語尾にくるやつは "Dark L"。口の形 (外・内) および舌の位置が違う。


English: How to Pronounce L consonant: American ...

3. y

有名なところでは "ear" と "year" の違い。日本語の「ヰ」「ヱ」はそれぞれ "yi" "ye" だと思うんだけど、「ヱ」の方は発音しやすいけど、「ヰ」は難しいと感じる。"yeah" はみんな言えると思うけど、"year" は難しく感じるんじゃないだろうか。


English: How to Pronounce the Y [j] consonant ...

舌の中程は口の天井につけ、舌の先は下の歯の付け根に触れる。音は喉の奥を絞って出す。

4. a

apple の a

発音記号で書くと、æ の音。口を横に広げながら、下顎を下げ「ア」と発音する、エとアを同時に発生するような音。

母音は全部挙げたいくらいなんだけど、特に違いが顕著な音をふたつに絞った。


English: How to Pronounce AA [æ] vowel: American ...

5. o

top の o

発音記号で書くと、ά の音。発音記号見ると分かるけど、これは「オ」じゃなくて「ア」に近いんだよね。日本語だと「トップ」って言うから「オ」って言ってしまいがちだと、「タップ」に近い音。口を「少なくとも指2本タテに入るくらいの大きさ」に開き「ア」と言うようにすればいい。あえて "o" にしたのは理由があって、この音は "father" の "a" でもあるんだけど、"o" の方がアルファベットに引きずられて、「オ」と言ってしまいがちなので。


English: How to Pronounce [ɑ] AH vowel: American ...

6. f, 7. v

この音はみなさん思ったよりできてないと思うので、大袈裟なくらいにやった方がいいと思いますよ。ぼくも気を抜くと息が出てなくて、先生によく注意されました。

ポイントである「上前歯を下唇を軽くあて」るってところはよく知られたところだと思うけど、「口角(口のはし)を思いっきり上げ『フー』と息を漏ら」すってところはけっこうみんな出来てないんじゃないかと思う。口は丸めるんじゃなくて横に開く。

v は f の有声音 (voiced sound) なんだけど、音を響かせなければならない分だけ f よりも難易度高いと思う。唇を上手く震わせられるかどうかがキモ。


English: How to Pronounce F and V consonants ...

Rachel さんの口も横に長い形になっている。

8. z

自分の中では出来てると思ってたけど、言われて初めて出来てないことが分かって、それ以来気をつけて自分の発音を聞いていると、ときどき間違えているので、要注意な音。

"g" と "z" は違うと分かっていても、"g" の方が言いやすい。

"s" の音を出しながら、口の形を変えずに "z" の音に変えることができればいいんだけど、これがなかなか難しいのでお試しあれ。

ぼくはいまだに "lizard" が上手く言えません。"li" でいったん舌を天井から離してから "z" で戻さないといけないからなのかな、その分言い難くなってる。


English: How to Pronounce S and Z consonants ...

9. k, 10. t

最後のふたつはちょっと特殊で、語尾にくるときの "k", "g", "t", "d" ひっくるめて。

k, g, t, d

まずは単体で発音してみて、上手くできるようになったら、

back, bag, bat, bad

単語で言ってみる。音単体で言えるようになっていれば、単語になっても言えると思うけど。

子音で終わるっていうのは日本語にないので (「ん」があるけど)、Listening でも苦労してしまうんじゃないかと思う。

ちなみにぼくはいまだに "changed" がちゃんと言えません、発音記号で書くと [tʃéndʒd] で子音がみっつ続く最高難度の単語だと思う。

■ まとめ

日本人は、もちろん native English speaker ではないので、あまり厳密にやらなくてもいいとは思うけども、聞き手にやさしい英語を目指すと、必然的に発音に気を配るようになると思う。会話をスムーズに進めるための手段のひとつとして、今後も発音を意識していきたい。

Rachel さんの動画ばかり載せているのは他意はありませんので念のため。

次回は、ボキャブラリーの増やし方について考えたい。