英語を上達させるプロセスについて考える

ひとりの英語学習者の試行錯誤の記録

第7回 ぼくのかんがえたさいきょうのリスニング上達プロセス

世の中には様々な英語教材が売っているけれども、ぼくがいちばん改善してほしいと思っている点は、付属のCD-ROM に収録されているオーディオのスピード。スピードがとにかく遅くて、現実社会で話されている英語とは別モノと言っても過言ではない。なので、そういうオーディオを聞いていても、現実の会話や映画・ドラマの会話が聞き取れるようにはならない。

そんなわけで、どうやってリスニングスキルを上達させるか、について考えてみる。

■ 現状の問題

ぼくにとって、4技能 (Reading, Writing, Listening, Speaking) のうちで最も難しいと感じているのはSpeaking だけれども、いま最も向上させたいと思っているのはListening だ。なぜなら、多少は話せるようになったとはいえ、まだまだ聞き取れないことも多くて、聞き取れないと相手にもう一度言ってもらわなければならず、大変心苦しい。それに、今はけっこう集中しないと聞き取れないので、1時間も英語で話しているとぐったりしてしまう。

改善したい点は以下の二点。

  1. ノーマルスピード (150wpm 以上) の英語を理解できるようになる
  2. 集中しなくても英語を聞き取れるようになる

まぁ、150wpm というのは目安でしかないんだけど、要するに日常生活で話されている程度かそれ以上のスピードってことで。相手が興奮して早口になると、途端に何言ってんだか分からなくなるので、もうちょっと鍛えたいなぁと思う。

■ 対策

とにかく多聴だ、みたいな意見もあるけど、ぼくはそういう質より量、みたいなアプローチは好きじゃないので、これまで試した方法を軸に、効率的なリスニング上達プロセスを探っていきたい (これまでもそれなりに効果あったわけだし)。

1. テキストを使う

今までいくつか試してみていちばん効果が高いなと思ったのは、これ。

絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール 徹底トレーニング編 CD3枚付

絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール 徹底トレーニング編 CD3枚付

このシリーズはなんでかたくさんあるので、別に上のやつじゃなくてもいいかもしれないけど、これの特長は、リンキングや脱落など、実際に話される際の発音の変化が、いくつも紹介されていて、それらを使った単文、ダイアログ、モノローグ、がふんだんに収録されているところ。この本に収録されている音声を一度で聞き取れるようになれば、大幅な上達が見込める (はず)。

英語のスピードというのは、別に話すスピードが上がるからってだけで速く聞こえるってわけじゃなくて、音がくっついたり脱落したりして「短く」なってるから、という側面もあるから、この音とこの音が連続するとこうなる、っていう知識は持っておくと効率的だと思う。有名なところでいくと、going to → gonna、とか want to → wanna とか。まぁこの辺は国や地域によって発音の特徴が違うので、こうやって発音されるって一概に言えないんだけど、ないよりはいいでしょってことで。

このとき大事なのはディクテーションするってこと。ぼくはEvernote に全部書き取っていて、間違えたところとか、自信のなかったところとかを記録している。書かないと分かった気になってスルーしちゃうってことが起こるし、残しておくことで自分の苦手な音を把握できるので、猛烈におすすめします。ディクテーションしたスクリプトはテキストに載っている文と突き合わせて間違いをすべて直しておこう。

あと、教材はいくつも並行して使うんじゃなくて、1冊、多くても2冊くらいに留めておく方がいいと思っていて、完璧に仕上げて次に行くようにすれば、中途半端に習得した教材がいくつも本棚に並ぶってことがなくなるんじゃないかと。

2. 動画を使う

最近いちばんお世話になってるのがこのサイト。

ESL - Real English Videos & Lessons. Completely Free! Real English is a Registered Trademark of The Marzio School.

道行くひとびとに同じ質問をしていって、それぞれの回答の様子を撮影しているだけなんだけど、まぁ色んなひとがいて面白い。質問も簡単だし ("Have you ever lived in another country?" とか)、色んな答えが聞けるので、いいトレーニングになる。で、このサイトの素晴らしいところは、字幕なしバージョンと字幕ありバージョンの二種類の動画を用意してくれていて、最初は字幕なしで観て、どうしても分からないとか確認のためとかで、字幕あり版を観る、みたいな使い方ができる点。素晴らしいね。

あと、TED.com。あまりに有名なのでスキップ。Real English が楽勝で理解できるようになったらでもいいし。短い時間のスピーチを選ぶといいかも。ひとりのひとの長いスピーチをひとつ聴くより、短いスピーチをいくつか聴いたほうがいいと思う。ひとによって発音違うし、たまにノンネイティブの英語のスピーチ聴いたりするのも楽しいよ。

3. DVD やBlu-ray を使う

お気に入りの海外映画やドラマのDVD や Blu-ray を買って、パソコンで観る。

まぁ、全部観るのは時間もかかるし、会話のない箇所もあったりするので、自分のお気に入りのシーンをピックアップして、そこだけ集中的にやるといいと思う。ぼくは今これを観ています。若い頃のNicole Kidman が可愛すぎてそれだけでモチベーション上がる。

ザ・インタープリター [DVD]

ザ・インタープリター [DVD]

動画プレイヤーは、矢印キーで巻き戻しや早送りができるやつがいい。ちなみにぼくは、JetAudioっていうのを使ってます。

これももちろん、字幕を見ずにディクテーション → 字幕で確認、というプロセスを徹底すること。ただし、文字数の関係で字幕は多少言い回しを変えていることもある (単語を省いていたり) ので、そこだけ注意してください。

4. 電車の中で...

これねぇ、なんか、通勤時間にリスニング、みたいなのって推奨されてるっていうか、空き時間を利用してリスニング力アップみたいなの、一見効率的なかんじするんだけど、ただ聞き流してるだけじゃあんまり効果ないってのが実感で、ディクテーションするなり、シャドウイングするなりして、しっかりインプットしないと、リスニング力向上にはあんまり寄与しない気がする。

もちろん英語に慣れるっていう意味では、ずっと聴いてるのはいいんだけど、聞き取るだけじゃなくて内容を理解して咀嚼しないと、効果は少ないと思いますです。

なので、おすすめは、一度ディクテーションした音源を聴き、理解できないポイントがあったら一旦止めて、Evernote に書き起こしたスクリプトを確認するっていうプロセスを行うこと。

■ まとめ

  1. 教材は必要最低限にしよう
  2. Real English や TED など、字幕あり・なしを切り替えられる動画を活用しよう
  3. 自分のお気に入りの海外映画やドラマを観よう
  4. 電車の中での聞き流しはあんまり意味がない