英語を上達させるプロセスについて考える

ひとりの英語学習者の試行錯誤の記録

第6回 フィリピン留学について

最近だいぶ認知されてきたフィリピンへの語学留学について、何人かから質問を受けたので、同様の疑問や不安を持ったひともいるだろうなぁということで、ちょっとこのブログの趣旨からはずれるけど、書いておこうと思う。最近 5ヶ月間の語学留学で100万円以上の費用を使った。けれど英語力が向上しなかった…。 - Togetterまとめ なんていうのを読んでしまったから、余計に。

ぼく自身は、今年 (2014年) の5月〜6月の2ヶ月間、セブにある SousPeak という日本人経営のわりと小さな語学学校に通った。

行く前の時点で、TOEIC 810, TOEIC SW 150 / 140 だったので、基礎はほとんどできていたし、オンライン英会話も1年ほどやっていたので、日常生活に困ることはほとんどなく、こちらの英語が相手に通じなかったこともほぼなかった。勉強の中心は、政治・経済・社会問題などのテーマに沿ったリーディングおよびディスカッションと自分で選んだ (身近なのを選んだつもり) テーマに沿ったフリーカンバセーション (詳しくは別ブログに書いてあるのでそちらをどうぞ)。

それを踏まえた上で、どういうひとがフィリピン留学でうまく英語を伸ばせるか、という点について、ぼくが観察した範囲ではあるけど、考えてみたい。

■ 基礎は必要か

上記のTogetter でのポイントは、文法や基礎的な単語をほとんど知らない状態での留学は失敗する、という点。

この点については、同意なんだけど、じゃあ、そうした基礎のできてないひとが全員失敗するかっていうとそうとは限らなくて、いくつかの点に留意して留学期間を過ごせば、英語力を伸ばせるんじゃないかと思っている。

と言うのは、語学留学ってつまるところ、半強制的に勉強しなければならない状態に自分を持っていくためにするもんだ、という考え方もあって、その伝で言うと、そうした環境の中でどれだけ周りに適応できるかっていう問題にしかならない。

基礎ができていないなら、現地で基礎を身につけられる方法を得るしかない、それが自分で見つけた方法であるか他人に与えられたものであるかは関係なく。

■ どんなひとがフィリピン留学に向いているか

向き不向きというのは何事にもあるけども、もちろん本人の努力で克服できることもある。でも、最初から適していた方が、余計な努力をしなくていいよね、っていうのも真実だと思うので、その点について思ったことを書いてみる。

1. フィリピン (東南アジア) が好きなひと

これはもう間違いなくて、自分の目的に適した環境を手に入れるのに、インフラや文化に不満を持ってしまうと、ぐっとハードルが上がってしまうので、最初からそこに適応できてた方がいい。ぼく自身も、東南アジア (特にタイ) が好きで、フィリピンで語学留学が流行ってるらしいと知って、これは行かねば!と思ったくらいだったので、インフラ面にはまったく不満を感じなかった。

2. 自分で試行錯誤できるひと

フィリピンのESL学校の先生をやっているのは、実はプロフェッショナルの先生の経験をもって入ってくるひとってほとんどいなくて、みんな大学卒業したてのひととか、他の産業から移ってきたひとが多い (これはオンラインも一緒)。ただ、まぁ、日本人が参入する前に韓国資本の学校ESL講師を盛大に雇っていたので、そうした学校で3年とかの経験をもっているひとはいる。これはぼくの経験なので、そうじゃないって思うひともいるかもしれないけど、少なくとも教師歴7〜8年とかのESL教師には出会ったことはない (少なく見積もって5,60人は会話したかプロフィールを見るかしたけども)。

なので、自分でカリキュラムをつくってそれに沿って進め、レッスンは補助くらいに考えておかないと、先生にお任せ〜とか思って行くと痛い目に遭う。

誤解のないように言うと、ぼくの通っていた学校には優秀な先生 (先生として優秀という意味) が何人もいて、特に発音矯正に関しては、非常に効率的に教えてもらったので、この産業が成熟してくれば、そのうち先生任せにしても効果が上がるようになるかもしれないけど。

3. 自分から動けるひと

文法に関して言うと、英語で教わるより母語で教わる方が圧倒的に効率いいと思ってて、ぼくが通っていた学校でも、文法理解に苦労していたひとは多かった。

その中でも、文法を分かってる別の日本人に質問するひとってのがいて、こういうひとは分からないことを放置してしまうひとより、当たり前だけど、伸びが早いと思う。

ぼく自身も、文法について分からないところがあると、空き時間中の先生を捕まえて、何度も質問したし。

まぁ普段だったらあんまりガツガツいかない性格なんだけど、勉強しに来てるんだし、分からないことを放置できないなぁと思って、理解できるまで徹底的に説明してもらったりした。

それに、どのグループにも一定数教えたがりのひとが必ずいるので(笑)、そういうひとを捕まえて、適度におだてておけば、色々教えてもらえるよ。

というわけで、利用できるものは積極的に利用しましょう。

■ 学校選びのポイント

基本的には自習時間を確保できるかどうか、が最大のポイントだと思っていて、一般的にはインプットとアウトプットの割合は 8:2 がいいみたいなことも言われていて、まぁことの真偽は分からないけれども、少なくとも予習・復習をせずに授業を受けても身にはつかないっていうのは賛同してもらえるんじゃないかと思う。

なので、朝から晩までレッスンがあって、授業が終わったらクタクタになってしまい、予習・復習どころじゃない、みたいな学校は避けた方がよさそう。

下記のサイトのように、特徴別で検索できるところもあるので、そういうのを活用するのもいいし。

フィリピン留学|学校紹介数日本一のフィリピン留学センター

■ 自分自身の考察

□ 発音

発音矯正は非常に効果が高かった。カリキュラムに発音矯正が含まれる学校をおすすめします。経験のある先生であれば、日本人の苦手な発音を把握しているので、次々とコツを教えてもらった。もちろん毎朝30分の声出しをして、復習をしっかりやったけど (それでも未だに正しく言えない音がある、lizard とか changed とか)。

□ リスニング

フィリピンは英語を話す国ではあるけど、現地のひと同士で話すときは現地語で話すので、日常生活でリスニング向上は難しい (なのでぼくは現地で友達をつくった)。

ボキャブラリー

ちょっと矛盾するようだけど、語彙不足はもう少し解消しておくんだったな、と感じた。基本的なスタンスとしては、必要になったら覚えるっていうものなんだけど、やっぱり会話の中で言えないのはストレス溜まるし、いちばんショックだったのは「消防車」が言えなかったこと(笑) まぁ、最終的に覚えればいいんだけどね。

□ スピーキング

後半は、仕事終わりの先生たちとくだらないおしゃべりとかして、本質的にはコミュ障だけど、わりと楽しく会話できてたと思うし、帰国してからも外国人の友達に上達したね、って言われたりして、まぁ成果はあったのかな、よく分かんないけど。

こないだ成果を測るために TOEIC SW をまた受けたので、前回より結果が上回るかどうか、ちょっと心配している。

■ まとめ

自分次第、ってことで。