英語を上達させるプロセスについて考える

ひとりの英語学習者の試行錯誤の記録

第3回 相槌とフィラー

挨拶に続いて、短いけれどよく使う便利な表現として、相槌とフィラーを身につけようと思う。

会話はキャッチボールなので、相手の言葉に反応して言葉を返すことが必要だけど、相槌はたいていどれも短いし決まり文句がたくさんあるので、丸ごと覚えてしまって、すぐに出てくるようにしておくと、会話がスムーズになる。

フィラーっていうのは、調べても日本語訳が見つからなかったので、カタカナで記すけど、文の中で、単語と単語の間に挟んで、沈黙を避けるためやためらいを表すために使われる語のこと。これも短いのでいくつか覚えてしまおう。

例えば、

A: How did you like "The Avengers"?

B: Well, that movie was, uh... not bad, I mean, um..., like..., that was unique, you know...

上の文だと、"uh", "I mean", "um", "like", "you know" がフィラー。日本語でも「えー」とか「なんていうかー」とかあるでしょ、そういうの。

個人的には少しでもフィラーの使用は避けたくて、しょっちゅうあーあーうーうー言ってるのは相手もイラつくだろうから、早く流暢にしゃべれるようになりたいと思っている。

ただ、日本語を話しているときでも考えながら言葉を選びながら慎重に話すときっていうのは途切れ途切れになりがち、というかむしろ自然にそうなるわけで、状況に応じて使っていきたい。

前置きが長くなったけど以下具体例を。

■ 相槌

022. Uh-huh.

023. Yeah.

024. Right.

025. I see.

026. That's nice (good, amazing, impressing, terrible).

027. Did you?

028. (It's) good to know that.

029. (I'm) sorry to hear that.

030. That's too bad.

031. What a shame.

いやぁ、ちょっと多くなってしまった。

でも、まぁ、覚える価値あると思う。

□ 解説

"uh-huh" は「うん」「それで?」みたいなニュアンスで、話を聞いていることを伝えると同時に次の発言を促す役割をする。2回目は口を閉じて "mm-hm" と発音するバリエーションもある。注意しなければいけないのは、日本語における「うん」の場合は多く挟めばそれだけ関心度が高いことを示す傾向があるが、英語の場合は、「頻繁に挟むと相手はせかされた気持ちになったり、あるいはこの人、なんだかいい加減に聞いてるなという印象を持たれるおそれがあります」[*1]とのことなので、過剰な使用は避けよう。この辺りは映画やドラマを観るなどして、感覚的に掴むしかないと思う。ぼく自身もまだ掴めていないし、フィリピン人をはじめとするノンネイティブと話すことがほとんどなので、その辺どのくらいネイティブと感覚が近いのかも分からないし。

"Yeah", "Right" は最も単純な同意を示す相槌で、"Yeah" は日本人英語初学者もよく使っているけど、"Right" はあまり使われていないように思う。簡単だからもっと使うといいのに、っていつも思う。"You're right." / "That's right." ていうバリエーションもあるよ。例文には載せなかったけど、非初心者のひとは "Exactly." とか "Sure."とかもあわせてどうぞ。

"I see" も同意を示す相槌だけど、「なるほど」っていうニュアンスなので、ちょっと上のふたつとは違うね。 "I see, I see." って続けて言うと、「分かったよ、うるせえな」っていうニュアンスで受け取られかねないっていうのは日本語と同じで、「はい」は一度にしなさい、っていう万国共通の(知らないけど)価値観なのかもしれない。

"That's (形容詞)." っていうのはとてもよく使う表現なので、これだけでも覚えて帰っていただければ。ホントにこれも単純で便利。ぼくがよく使う形容詞は "right, good, nice, great, interesting, amazing, awesome, cool, awful, terrible" とかそんなかんじ。他にも色々あるからググって、使えるのはどんどん覚えて使っていこう。語調の強い (amazing とか terrible とか) 形容詞の場合は、前に "Oh" とか "Wow" とかつければ完璧。

例では "Did you?" って書いたけど、これは相手の発言を受けての応えなので、色々バリエーションがある。意味的には「そうなの?」ってかんじ。例を挙げると、

A: I lost my smartphone.

B: Did you? That's too bad.

これがBe動詞になると、

A: I was there at that time.

B: Were you? We could see each other.

"(It's) good to know that." と "(I'm) sorry to hear that." はセットで覚えよう。"know" と "hear" は相互に置き換え可能。前者は「それはよかったね」で後者は「それは残念だったね」っていうかんじ。これらも大変よく使う。フォーマル・カジュアル両方で使えるけど、フォーマルな場合は "It's" や "I'm" を省略せずに使おう。省略しない=フォーマルというルールは、この文に限った話ではなくて一般的な話。

最後のふたつは、"(I'm) sorry to hear that." と同様、同情を示す、というか、相手の発言がネガティブなことについてのものだったときのカジュアルな相槌。どちらも同じように使える。

フィラー

032. well...

033. so...

034. like...

035. I mean...

036. you know...

037. let's see...

038. how do I say this...

こんだけ覚えておけばいいんじゃないかな(笑)

頭のなかで次に言うことを考えながら言うので、伸ばしたり、タメをつくったりする。音声載せてないのでこの辺のニュアンスが伝えきれずもどかしい、ごめんなさい。

"well" は色んな使い方があるらしく、ぼくもあまりよく分かってないんだけど、「そうねぇ」とか「じゃあ」とか、話し始めるときに使う。"so" は「だから」とか「それで」っていう明確な意味があるので、"so" が当てはまらないときは "well" でいいんじゃないかな、ちょっと乱暴だけど。

"like" は「みたいな」みたいなニュアンスで、文頭でも文中でも使う。

"I mean" も文頭でも文中でも使うけど、直前に自分が言ったことを言い換えたり、意図を伝えたりするためのもので、相手の反応を見ながら使う。相手がきょとんとしてたり、ちょっとよく分かんないんだけど、みたいな顔してたら、"I mean..." を挟んで別の言い方で説明してみよう。

例)

She's wonderful, I mean, attractive.

いったん "wonderful" と言ってはみたけど、どうも相手が「そうじゃないだろ」って顔してるので正直に "attractive" って言い直す、みたいなシチュエーション。他にも色々な場面で使えるので、各自でイメージトレーニングしてみてください。

"you know" は、「でしょ」とか「ねぇ」みたいなニュアンスで、簡単だけども使いどころが難しいイメージがあって、ぼくはあまり使わない。Lady Gaga のインタービュー動画を観たら、メチャメチャ言いまくってて軽くひいたんだけど、なんていうか、you know?

"let's see" は「えーと」ってかんじ。"let me see" も同様。

最後の "how do I say this" は「なんて言ったらいいのかな」という意味で "how can I say this" でも同様。これホントよく使うのでオススメ。英語での表現が思いつかない、といった場合は最後に "in English" とつければ完璧。

例)

Uh, it was sort of fish, um, how do I say this in English, err, yeah, mackerel!

■ まとめ

会話を自然に進めるための最も簡単で有効な手段のひとつである相槌とフィラーについてまとめてみた。それぞれ10個くらいずつだけど、これだけでも会話にグッと表情が出ると思う。問題は、実際にどうやって使われているか、というのは会話を聞かないと会得できないというところで、その辺りは、YouTube でだれかのインタビュー動画を観てみるといいと思う。

意味が間違ってるとか例文が不適切とかあったら、ツッコミください。

*1:出典: 知られざる英会話のスキル20 日向清人・狩野みき著